親知らずの抜歯
親知らずを抜きたいけど腫れるのが心配という患者様が多くいらっしゃいます。親知らずの腫れは下の歯の横向きの親知らずを抜歯する場合に起こります。横向きの親知らずは歯茎や骨に覆われているので、歯茎を切ったり、周りの骨を削ったりして抜く必要があります。その際、体が傷を治す炎症反応として腫れが起こるのです。
★親知らずの腫れについての知識をお伝えします★
①親知らず抜歯後の腫れのピークは3日間。4日目から徐々に引いていきますが1週間くらいは旅行などの大きなイベントは入れないほうがよいです
②親知らず抜歯後の腫れ方はアゴのエラあたりがポコっと膨らむ方や、頬や目の下あたりまで大きく腫れ、口が開けにくくなる方もいます。大きく腫れてしまった場合には食事もとりにくくなりますので、高カロリーゼリーなどで水分と栄養を確保してください。
③一般には腫れが強くなると痛みも強くなります。痛みは鎮痛剤でコントロールします。抜歯直後は麻酔が切れて一番痛みが出やすい時なので、早めに痛み止めをのんでおきます。
★親知らずを腫れないようにするための準備★
①口の中をキレイな状態にしておく。親知らずの抜歯の時には口の中の細菌が感染します。この感染が腫れの原因となることがあるからです。
②体力を改善しておく。疲れが溜まっていたり、寝不足が続いたり体の抵抗力が下がっているときに抜歯をすると腫れやすくなります。
③親知らずの腫れを引かしておく。腫れているからといってすぐに抜歯すると、元々の腫れが広がり、抜歯後腫れが強くなります。傷口にまた、傷を与えるようなものです。
★親知らずが腫れてしまった後の注意点★
①痛み止めを飲む。ロキソニンには解熱(熱を下げる)、消炎(炎症を抑える)、鎮痛(痛みを抑える)作用があります。
②冷えピタなどで24時間以内は冷やす。腫れや痛みを減らすために抜歯した場所を24時間までは冷やします。24時間以降冷やすのは血液の循環が悪くなり、回復するのを遅れさせてしまうので控えます。
③うがいを控える。抜歯した穴には血液が溜まってかさぶたができ、骨を細菌から守ってくれます。血液が溜まらないと、骨を守るために血液が増え、腫れの原因になります。血が止まりにくい時は歯医者でもらったガーゼを30分〜1時間程度しっかり咬み、傷口を圧迫し、止血させます。
④喫煙を控える。喫煙は毛細血管を収縮させ歯茎の治りを遅らせます。腫れないようにしたい方は親知らず抜歯の1週間前から1週間後まで禁煙することによって、血液の流れを改善させておきます。
⑤アルコールを控える。アルコールにより血液の循環が良くなると血液が固まりにくくなり、腫れが長引いてしまいます。
以上が注意点になります。
当院では必要に応じてCTを撮影し抜歯をしています。下の親知らずを抜く際に下歯槽神経にふれると麻痺が残ってしまうなど重大な事故になります。より安全に処置ができるようにCTで位置を確認しています。どうしても当院で抜けないような歯は大学病院に紹介状をお出しできますのでご相談下さい。